いきなりT-705
C先生:やぁ、おはようみんな。今日は今話題の鳥インフルエンザについてやろうか。
A君:あれ?抗肥満薬ではなかったでしょうか?
C先生:いや、そうしようかとも思ったんだが、今話題のトピックもたまには取り上げた方がブログらしくていいかと思ったんだが。ちょうど薬作り職人さんのブログで面白そうな話が載っていたので。
http://kentapb.blog27.fc2.com/blog-entry-1740.html
Bさん:T-705の話ですか。新型インフルエンザにタミフルよりも効くと書いてあります。
C先生:しかも富山化学という日本の会社が開発中らしい。日本発の新型インフルエンザ治療薬ということで、非常にエポックメイキングな話だろう。
A君:それでは周辺情報をググってみます。
「T-705」で。最近はGoogleのタスクバーに第1検索ワードの関連検索ワードが自動で表示されるようになって、便利ですよね。
山本清治のクラブ9というページなんかが引っ掛かってきました。投資家の方でしょうか。
「新型インフルに切り札か―治療薬T-705 実用化期待―」という記事です。
2008年8月22日の朝日新聞の記事が抜粋されています。
http://www.kyas.com/club9/QA/2008/qa080822.html
上記事に対するコメントページです。
http://www.kyas.com/club9/QA/2008/qa080825.html
C先生:とりあえず化学者として、どういう構造なのか非常に興味深いね。それは後にするとして、既存の抗ウィルス薬とは作用機作が違うようだ。既存の抗ウィルス薬のおさらいをここでしとこう。抗ウィルス薬だと、エイズ治療薬まで入ると膨大になるので、とりあえずはインフルエンザのみで。

この3剤を覚えておけば大丈夫。まず、塩酸アマンタジン(シンメトレル、Symmetrel)だ。イオンチャネルを形成するM2タンパク質に相互作用して、抗ウィルス活性をしめす。
http://en.wikipedia.org/wiki/Amantadine
ザナミビル(リレンザ、Relenza)はノイラミニダーゼ阻害薬。経口吸収されないので、粉末の薬を鼻から吸引する必要がある。グアニジンがあるためだと思われる。塩基性が強いうえに水溶性も高すぎるだろう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Zanamivir
オセルタミビル(タミフル、Tamiflu)もノイラミニダーゼ阻害薬。こちらは経口吸収される。
http://en.wikipedia.org/wiki/Oseltamivir
Chem-Stationも貼っておこう。
http://www.chem-station.com/yukitopics/tamiflu.htm
開発中のものだと、第一三共のLaninamivir(CS-8958)

http://en.wikipedia.org/wiki/Laninamivir
http://www.chem-station.com/chemistenews/2009/01/cs895809.html#more
ノイラミニダーゼ阻害薬。今年中に国内申請らしいが。ほとんどザナビルだな。
あとはPeramivirだ。

これもノイラミニダーゼ阻害薬。だが、構造がだいぶ変わったな。官能基だけ残して骨格変換。色々と組みかえたりしてたどり着いたのだろうが、どういう考えでこの構造になったかは興味が湧くところだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Peramivir
http://www.chem-station.com/molecule/archives/2009/08/-peramivir/#more
とまあこれだけあるわけだが。
先ほど紹介した
http://www.chem-station.com/chemistenews/2009/01/cs895809.html#more
にT-705の構造が載っている。

Bさん:全く今までと構造が違いますね。
A君:作用性はRNAポリメラーゼ阻害のようですね。
C先生:抗HIVウィルス薬で沢山上市されている薬と作用性は基本的には同じだ。例えば、抗HIVウィルス薬で有名なものに、AZT(アジドチミジン)今はZidovudinと呼ばれているものがある。

この化合物をHIVウィルスの逆転写酵素は間違って取り込んでしまうのだが、当然OHの代わりにアジドが入っているので、RNAは合成されない。
逆転写酵素はWikiにあるようにRNA依存性DNAポリメラーゼ。HIVの遺伝情報はRNAに書き込まれている。そのウィルスのRNAをcDNAに変換し、宿主に複製してもらおうという酵素だ。このコピーされたRNA/DNAの二重鎖は一旦RNAがRNase Hによって分解され、残ったDNAがDNAポリメラーゼによって複製され、二本鎖DNA/DNAになる。その後、ヒトのDNAの中に組み込まれていく。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E8%BB%A2%E5%86%99%E9%85%B5%E7%B4%A0
Bさん:大分専門的な話になってきましたね。
C先生:言葉だけではわかりにくいかもしれない。そもそもウィルスの逆転写酵素は非常にファジーなんだよ。だからAをGと認識したり、CをTと認識したりする。そうなると遺伝情報も当然変わってくるわけだ。それがウィルスが変異する機構だ。ころころと遺伝情報が変わってしまうために、標的とするタンパク質の構造も変わっていまい、薬がすぐに効かなくなる。塩酸アマンタジンもタミフルも既に耐性ウィルスが出現しているという報告もあるしね。
A君:そうするとインフルエンザウィルスもこのT-705を核酸塩基として誤認識しているということでしょうか?
C先生:正解。
Bさん:それにしてはだいぶ構造が核酸塩基とはかけ離れていますよね。なかなか理解しがたい部分があるのですが。
C先生:確かに。ピラジンだものなぁ。でもNAD+なんかは塩基部はピリジンのアセトアミドだし、あながち全くかけ離れているかというとそうでもなさそうな気もしてくるな。

開発状況などはどうなっているのか気になるね。Bさん調べてもらえるかね?
Bさん:先ほどのクラブ9さんの情報では、2009年3月時点でフェーズ2のようです。
http://www.kyas.com/club9/QA/qa090323.html
富山化学のHPでもフェーズ2と書かれています。プレスリリースのHPに富士フィルムホールディングスと書いてありますね。富山化学は富士フィルムホールディングスの傘下に入っているようですね。いつの間にでしょうか。
http://www.toyama-chemical.co.jp/rd/pipeline/index.html
C先生:最近富士フィルムが医薬品探索に乗り出したとどこかで見た気がするが、その布石の一環だろうか。
A君:国内では2007年1月からPhase Iと書いてあります。
「2004年1月、当社はNIAID(米国立アレルギー感染症研究所)との間に「サンプル提供契約」を締結」とのことです。
http://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/070124110553.html
2008年2月からPhase II開始とのことです。
米国では2007年3月からPhase I、2009年7月時点でもまだPhase Iのようです。
http://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/070312101148.htmlもう名前も付いていますね。「favipiravir」です。
C先生:さすがA君。
http://www.toyama-chemical.co.jp/rd/area/infection.html
富山化学の説明だと、活性体はヌクレオチドの3リン酸体のようだね。やっぱりさっき言ったようにNAD+と似てるじゃないか!


しかし、対象が「季節性インフルエンザ感染症患者」と書いてあるぞ。鳥インフルエンザは対象ではないのか?もしや。。。
A君:朝日新聞の記事にも記載されています。
http://globe.asahi.com/feature/090727/01_1.html
<以下引用>
「雲の上の人から連絡が来た」
富士フイルム・グループの中堅製薬メーカー、富山化学工業(本社・東京)の研究者、古田要介は03年秋に届いた1通のメールのことを記者(清井)にこう語った。
「貴社の抗ウイルス薬『T−705』の鳥インフルエンザに対する効果を試させてくれないか」。差出人は、米ユタ州立大教授、ドナルド・スミー。ウイルス研究者の間では知らない人はいない。バイオテロの危機に備え、米国立保健研究所(NIH)から研究を委託されていた。
T−705は、細胞内のウイルス増殖を抑える特殊な作用がある。古田のチームが98年に発見。特許を取得し、動物実験で安全性も確認した (memo 01 「薬の一生」Step1〜4参照)。しかし、会社は開発を中止した。すでにタミフルが世に出ていて、商売になりにくいとの判断があった。
しかし、06年3月、NIHは驚くべき結果を発表する。世界中から集めた約3000の薬の中で唯一、T−705だけが鳥インフルエンザに高い効果を示した。
すぐに開発が再開された。国内でも審査機関から優先的に助言を受けられる薬に指定され、今冬に臨床試験を済ませる予定だ(memo 01 Step10)。
新型インフルエンザの中でも、タミフルが効かないタイプが発見され、「T−705」に対する期待が高まっている。
さらにユタ州立大からは「黄熱病にも効いた」「西ナイル熱にも有効だ」と連絡が入り、世界中からサンプルの提供依頼が殺到している。
世界ではまだ無名に近い富山化学の新薬が、オセロゲームの情勢を揺り動かす一手になるかもしれない。激烈な闘いは、国境を超えて繰り広げられている。
<引用終わり>
C先生:完全なるコピペだが、著作権は大丈夫かな。。。大事そうなところを要約すると、
見つけた人は、古田要介さん
1998年にT-705を見つけ、特許を取得し、動物実験で安全性も確認した
しかし、タミフルが上市されている状況から会社は開発を中止。
時隔てて2003年秋、米ユタ州立大教授、ドナルド・スミーからメールがあり、サンプルをスクリーニングしたいと言われた。(特許でも見たのだろうか・・・?)
2006年3月、T705が鳥インフルエンザに効果があることを発表。
再び開発開始。2009年度臨床試験完了予定。(Phase III終了予定ということか?)
Bさん:「新型インフルエンザ対策.com」というサイトにも似たような話が載っています。
http://newmodelinfluenza.blog54.fc2.com/blog-entry-20.html
C先生:みんな検索能力が凄い。私も負けじと、
http://www.fujifilmholdings.com/ja/investors/pdf/other/ff_presentation_20080226_003j.pdf
富山化学の研究開発概要のPDFファイルだ。
4pに書いてあるぞ。T-705は化合物ライブラリから見出されたようだ。「細胞評価系でのランダムスクリーニング」と書いてある。
しかし2009年度臨床試験完了予定か。気になるね。Phase IIIをやるためには、季節性インフルエンザ感染症患者が何百人と必要なってくるわけだが、季節性だからそんなに簡単に患者がいるわけじゃない。
南半球でやるなら別だが。丁度今冬だし。日本でとなると今年の冬に大量発生したインフルエンザの患者に治験する予定ということだ。
A君:お医者さんのブログも見つけました。
http://taro.cc/med/index.php/Blogging/comments/anti_influenza_drug/
学会報告内容
in vitroや動物実験でもタミフルより安全域が広い。
in vitroではA,B,C型インフルエンザに加え、タミフルやアマンタジン耐性のインフルエンザにも効果を示す。
耐性株も20代目まで出ない。タミフルは5代目で出現。
in vivo 試験における体内動態は、経口投与も静脈内投与も血中薬物動態はほぼ同様で、非常に高い経口吸収性を示した。
安全性については、GLP 試験を終了して急性毒性は非常に低いことが判明した。1 か月という実際には投与されないであろう(5 日間投与を計画)長期の経口投与の毒性試験は、リバビリンのような核酸系薬剤と同様の嘔吐や貧血様の症状が見られた。
Bさん:これは、上市されると無敵ですね。
C先生:同感だ。ブロックバスターになる可能性が高い。相当安く合成できそうだしな。こういう薬が日本の中堅の製薬メーカーで見出されたのは、興味深い。大きければいいというものではないということだ。次回はT-705の合成でもやろうか。
PS.
C先生:実は気になる記事があった。2007年のロイターの記事だ。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-27258420070807
どうやら2007年8月時点ではT-705はPhase Iで導出予定だったようだ。開発品が多く手元の資金が不足していたようだ。
2008年2月に富士フィルムに買収されたようだ。ただもともと富山化学は大正製薬と合弁会社を設立していたため、この買収スキームに大正製薬も噛んでいる。ということか。なるほど。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK006939320080213
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-30310720080213
A君:あれ?抗肥満薬ではなかったでしょうか?
C先生:いや、そうしようかとも思ったんだが、今話題のトピックもたまには取り上げた方がブログらしくていいかと思ったんだが。ちょうど薬作り職人さんのブログで面白そうな話が載っていたので。
http://kentapb.blog27.fc2.com/blog-entry-1740.html
Bさん:T-705の話ですか。新型インフルエンザにタミフルよりも効くと書いてあります。
C先生:しかも富山化学という日本の会社が開発中らしい。日本発の新型インフルエンザ治療薬ということで、非常にエポックメイキングな話だろう。
A君:それでは周辺情報をググってみます。
「T-705」で。最近はGoogleのタスクバーに第1検索ワードの関連検索ワードが自動で表示されるようになって、便利ですよね。
山本清治のクラブ9というページなんかが引っ掛かってきました。投資家の方でしょうか。
「新型インフルに切り札か―治療薬T-705 実用化期待―」という記事です。
2008年8月22日の朝日新聞の記事が抜粋されています。
http://www.kyas.com/club9/QA/2008/qa080822.html
上記事に対するコメントページです。
http://www.kyas.com/club9/QA/2008/qa080825.html
C先生:とりあえず化学者として、どういう構造なのか非常に興味深いね。それは後にするとして、既存の抗ウィルス薬とは作用機作が違うようだ。既存の抗ウィルス薬のおさらいをここでしとこう。抗ウィルス薬だと、エイズ治療薬まで入ると膨大になるので、とりあえずはインフルエンザのみで。

この3剤を覚えておけば大丈夫。まず、塩酸アマンタジン(シンメトレル、Symmetrel)だ。イオンチャネルを形成するM2タンパク質に相互作用して、抗ウィルス活性をしめす。
http://en.wikipedia.org/wiki/Amantadine
ザナミビル(リレンザ、Relenza)はノイラミニダーゼ阻害薬。経口吸収されないので、粉末の薬を鼻から吸引する必要がある。グアニジンがあるためだと思われる。塩基性が強いうえに水溶性も高すぎるだろう。
http://en.wikipedia.org/wiki/Zanamivir
オセルタミビル(タミフル、Tamiflu)もノイラミニダーゼ阻害薬。こちらは経口吸収される。
http://en.wikipedia.org/wiki/Oseltamivir
Chem-Stationも貼っておこう。
http://www.chem-station.com/yukitopics/tamiflu.htm
開発中のものだと、第一三共のLaninamivir(CS-8958)

http://en.wikipedia.org/wiki/Laninamivir
http://www.chem-station.com/chemistenews/2009/01/cs895809.html#more
ノイラミニダーゼ阻害薬。今年中に国内申請らしいが。ほとんどザナビルだな。
あとはPeramivirだ。

これもノイラミニダーゼ阻害薬。だが、構造がだいぶ変わったな。官能基だけ残して骨格変換。色々と組みかえたりしてたどり着いたのだろうが、どういう考えでこの構造になったかは興味が湧くところだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Peramivir
http://www.chem-station.com/molecule/archives/2009/08/-peramivir/#more
とまあこれだけあるわけだが。
先ほど紹介した
http://www.chem-station.com/chemistenews/2009/01/cs895809.html#more
にT-705の構造が載っている。

Bさん:全く今までと構造が違いますね。
A君:作用性はRNAポリメラーゼ阻害のようですね。
C先生:抗HIVウィルス薬で沢山上市されている薬と作用性は基本的には同じだ。例えば、抗HIVウィルス薬で有名なものに、AZT(アジドチミジン)今はZidovudinと呼ばれているものがある。

この化合物をHIVウィルスの逆転写酵素は間違って取り込んでしまうのだが、当然OHの代わりにアジドが入っているので、RNAは合成されない。
逆転写酵素はWikiにあるようにRNA依存性DNAポリメラーゼ。HIVの遺伝情報はRNAに書き込まれている。そのウィルスのRNAをcDNAに変換し、宿主に複製してもらおうという酵素だ。このコピーされたRNA/DNAの二重鎖は一旦RNAがRNase Hによって分解され、残ったDNAがDNAポリメラーゼによって複製され、二本鎖DNA/DNAになる。その後、ヒトのDNAの中に組み込まれていく。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E8%BB%A2%E5%86%99%E9%85%B5%E7%B4%A0
Bさん:大分専門的な話になってきましたね。
C先生:言葉だけではわかりにくいかもしれない。そもそもウィルスの逆転写酵素は非常にファジーなんだよ。だからAをGと認識したり、CをTと認識したりする。そうなると遺伝情報も当然変わってくるわけだ。それがウィルスが変異する機構だ。ころころと遺伝情報が変わってしまうために、標的とするタンパク質の構造も変わっていまい、薬がすぐに効かなくなる。塩酸アマンタジンもタミフルも既に耐性ウィルスが出現しているという報告もあるしね。
A君:そうするとインフルエンザウィルスもこのT-705を核酸塩基として誤認識しているということでしょうか?
C先生:正解。
Bさん:それにしてはだいぶ構造が核酸塩基とはかけ離れていますよね。なかなか理解しがたい部分があるのですが。
C先生:確かに。ピラジンだものなぁ。でもNAD+なんかは塩基部はピリジンのアセトアミドだし、あながち全くかけ離れているかというとそうでもなさそうな気もしてくるな。

開発状況などはどうなっているのか気になるね。Bさん調べてもらえるかね?
Bさん:先ほどのクラブ9さんの情報では、2009年3月時点でフェーズ2のようです。
http://www.kyas.com/club9/QA/qa090323.html
富山化学のHPでもフェーズ2と書かれています。プレスリリースのHPに富士フィルムホールディングスと書いてありますね。富山化学は富士フィルムホールディングスの傘下に入っているようですね。いつの間にでしょうか。
http://www.toyama-chemical.co.jp/rd/pipeline/index.html
C先生:最近富士フィルムが医薬品探索に乗り出したとどこかで見た気がするが、その布石の一環だろうか。
A君:国内では2007年1月からPhase Iと書いてあります。
「2004年1月、当社はNIAID(米国立アレルギー感染症研究所)との間に「サンプル提供契約」を締結」とのことです。
http://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/070124110553.html
2008年2月からPhase II開始とのことです。
米国では2007年3月からPhase I、2009年7月時点でもまだPhase Iのようです。
http://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/070312101148.htmlもう名前も付いていますね。「favipiravir」です。
C先生:さすがA君。
http://www.toyama-chemical.co.jp/rd/area/infection.html
富山化学の説明だと、活性体はヌクレオチドの3リン酸体のようだね。やっぱりさっき言ったようにNAD+と似てるじゃないか!


しかし、対象が「季節性インフルエンザ感染症患者」と書いてあるぞ。鳥インフルエンザは対象ではないのか?もしや。。。
A君:朝日新聞の記事にも記載されています。
http://globe.asahi.com/feature/090727/01_1.html
<以下引用>
「雲の上の人から連絡が来た」
富士フイルム・グループの中堅製薬メーカー、富山化学工業(本社・東京)の研究者、古田要介は03年秋に届いた1通のメールのことを記者(清井)にこう語った。
「貴社の抗ウイルス薬『T−705』の鳥インフルエンザに対する効果を試させてくれないか」。差出人は、米ユタ州立大教授、ドナルド・スミー。ウイルス研究者の間では知らない人はいない。バイオテロの危機に備え、米国立保健研究所(NIH)から研究を委託されていた。
T−705は、細胞内のウイルス増殖を抑える特殊な作用がある。古田のチームが98年に発見。特許を取得し、動物実験で安全性も確認した (memo 01 「薬の一生」Step1〜4参照)。しかし、会社は開発を中止した。すでにタミフルが世に出ていて、商売になりにくいとの判断があった。
しかし、06年3月、NIHは驚くべき結果を発表する。世界中から集めた約3000の薬の中で唯一、T−705だけが鳥インフルエンザに高い効果を示した。
すぐに開発が再開された。国内でも審査機関から優先的に助言を受けられる薬に指定され、今冬に臨床試験を済ませる予定だ(memo 01 Step10)。
新型インフルエンザの中でも、タミフルが効かないタイプが発見され、「T−705」に対する期待が高まっている。
さらにユタ州立大からは「黄熱病にも効いた」「西ナイル熱にも有効だ」と連絡が入り、世界中からサンプルの提供依頼が殺到している。
世界ではまだ無名に近い富山化学の新薬が、オセロゲームの情勢を揺り動かす一手になるかもしれない。激烈な闘いは、国境を超えて繰り広げられている。
<引用終わり>
C先生:完全なるコピペだが、著作権は大丈夫かな。。。大事そうなところを要約すると、
見つけた人は、古田要介さん
1998年にT-705を見つけ、特許を取得し、動物実験で安全性も確認した
しかし、タミフルが上市されている状況から会社は開発を中止。
時隔てて2003年秋、米ユタ州立大教授、ドナルド・スミーからメールがあり、サンプルをスクリーニングしたいと言われた。(特許でも見たのだろうか・・・?)
2006年3月、T705が鳥インフルエンザに効果があることを発表。
再び開発開始。2009年度臨床試験完了予定。(Phase III終了予定ということか?)
Bさん:「新型インフルエンザ対策.com」というサイトにも似たような話が載っています。
http://newmodelinfluenza.blog54.fc2.com/blog-entry-20.html
C先生:みんな検索能力が凄い。私も負けじと、
http://www.fujifilmholdings.com/ja/investors/pdf/other/ff_presentation_20080226_003j.pdf
富山化学の研究開発概要のPDFファイルだ。
4pに書いてあるぞ。T-705は化合物ライブラリから見出されたようだ。「細胞評価系でのランダムスクリーニング」と書いてある。
しかし2009年度臨床試験完了予定か。気になるね。Phase IIIをやるためには、季節性インフルエンザ感染症患者が何百人と必要なってくるわけだが、季節性だからそんなに簡単に患者がいるわけじゃない。
南半球でやるなら別だが。丁度今冬だし。日本でとなると今年の冬に大量発生したインフルエンザの患者に治験する予定ということだ。
A君:お医者さんのブログも見つけました。
http://taro.cc/med/index.php/Blogging/comments/anti_influenza_drug/
学会報告内容
in vitroや動物実験でもタミフルより安全域が広い。
in vitroではA,B,C型インフルエンザに加え、タミフルやアマンタジン耐性のインフルエンザにも効果を示す。
耐性株も20代目まで出ない。タミフルは5代目で出現。
in vivo 試験における体内動態は、経口投与も静脈内投与も血中薬物動態はほぼ同様で、非常に高い経口吸収性を示した。
安全性については、GLP 試験を終了して急性毒性は非常に低いことが判明した。1 か月という実際には投与されないであろう(5 日間投与を計画)長期の経口投与の毒性試験は、リバビリンのような核酸系薬剤と同様の嘔吐や貧血様の症状が見られた。
Bさん:これは、上市されると無敵ですね。
C先生:同感だ。ブロックバスターになる可能性が高い。相当安く合成できそうだしな。こういう薬が日本の中堅の製薬メーカーで見出されたのは、興味深い。大きければいいというものではないということだ。次回はT-705の合成でもやろうか。
PS.
C先生:実は気になる記事があった。2007年のロイターの記事だ。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-27258420070807
どうやら2007年8月時点ではT-705はPhase Iで導出予定だったようだ。開発品が多く手元の資金が不足していたようだ。
2008年2月に富士フィルムに買収されたようだ。ただもともと富山化学は大正製薬と合弁会社を設立していたため、この買収スキームに大正製薬も噛んでいる。ということか。なるほど。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK006939320080213
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-30310720080213



